勤めていた会社が倒産!消費者金融の返済が、まだ残ってるのに…。でも、ここでパニックにならないでください。返済をなくすことはできませんが、金額を減らす方法はあるんです!
うまくいけば元金のみ返済も可能なんです。債務整理は自己破産がよく知られていますが、キャッシュカードが作れないなど不自由な生活を何年も強いられることになります。債務整理しても、カードを利用できる整理方法もあります。
ここで、自分に合った債務整理の方法を探してみましょう。
どうしても返済できない!まずは専門家に相談を
突然のリストラ、病気などで収入がストップしてしまうのは誰にでもおこりうることです。当然、借金の返済は難しくなります。お金がないからと返済を放置すると、損害遅延金が発生して債務が大きくなるばかりでなく、信用情報に遅延の事実がのったりして、今の生活基盤が根底から崩れてしまうことにもなりかねません。
返済に困ったら、迷わず弁護士や司法書士に相談しましょう!
敷居が高くて行く気になれない、という人には『法テラス』でまず無料相談してみるのもいいでしょう。法テラスは都道府県に必ずあります。まずは電話で相談してみることをおススメします。
放置すると後で必ず困ったことになります。少しでも早く相談するべきです。
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借金を減らす方法は他にもある。自分に合った方法を選ぼう!
債務整理には以下の4種類あります。
それぞれの手続きの流れとメリット、デメリット、費用をみてみましょう
任意整理
1.弁護士に任意整理を依頼して、債権者に『受任通知』を送付してもらいます。督促状など取立てが停止となります。
2.同時に債務者に取引履歴の開示を要求します
3.取引履歴をもとに、弁護士が借入れ金額の総額を計算。過払いがないかもチェックします
4.借金の総額と依頼者の経済状況をもとに、弁護士が債務者と交渉し、返済額が決まります
5.話がうまくまとまれば、新たに決定された金額で返済開始。手続き完了までに要する時間は3~5ヶ月くらい
任意整理の費用
- 着手金:借入先の件数×2万円前後
- 報酬金:借入先の件数×2万円前後
- 減額報酬:減額出来た金額の10%
- 過払い請求成功報酬:取り戻せた額の20%
任意整理のメリット
- 債務整理する業社を選べるので、クレジットカードが利用できる
- 財産の差し押さえがない
- 家族に知られずにすむ
任意整理のデメリット
- 信用情報に任意整理の記録が残るので、5~10年はあらたにクレジットカードが作れない、ローンが組めない。
- 元金が減らない可能性がある。
- 金融業社が示談に応じない可能性がある
- 無収入ではできない
特定調停
手続きの内容は任意整理とあまり変わらないが、弁護士や司法書士を介せず、自分で手続きが可能。
1.特定調停申立書・関係権利者一覧表、現在の財産の状況がわかる明細書などを用意し、簡易裁判所に提出する。
2.債務者の所在地を管轄する簡易裁判所に申し立てをおこなう。
3.事件受付票の交付・調査期日が指定される
4.調停員が指定される
5.申し立てから1ヶ月後に調査期日が指定される。ここで調停委員とともに、債務状況の確認、返済計画などを確認する
6.調査期日の約一ヵ月後に第一回調停期日が指定される。ここで債権者と調停委員の間で交渉が行われる債務者本人は必ずしも出席する必要はない。
債権者が出廷せず、電話などで交渉が行われる場合もある。
7.調停調書が作成される。
8.返済開始
特定調停の費用
- 収入印紙:借入先の件数×500円
- 切手代:借入先の件数×420円くらい
特定調停メリット
調停デメリット
- 手続きが煩雑。過払い金などが発生したら、個別に手続きをする必要がある。
- 調停員のあたりはずれが激しい。
- それ以外は任意整理とほぼ同じ。
個人再生
1.弁護士に個人再生を依頼して、債権者に『受任通知』を送付してもらいます。督促状など取立てが停止となります。
2.同時に債務者に取引履歴の開示を要求します
3.取引履歴をもとに、弁護士が借入れ金額の総額を計算。過払いがないかもチェックします
4.個人再生申立
手続開始決定→債権届出期間の終期→異議申述期間の始期→異議申述期間の終期→再生計画案提出期限→書面による決議に付する旨の決定又は意見聴取決定→書面による決議の回答期間又は意見聴取期間満了
→認可決定→認可確定 ここまでで130日程度
5.返済開始
個人再生の費用
個人再生のメリット
- 返済額を大幅に減らすことができる(元金の1/5まで、または100万円)
- 財産の差し押さえがない
- 家族に知られずにすむ
個人再生のデメリット
- 信用情報に任意整理の記録が残るので、5~10年はあらたにクレジットカードが作れない、ローンが組めない。
- 無収入ではできない
自己破産
1.裁判所に自己破産手続と同時に免責許可申立書を提出する。
2.免責審問開始。裁判官と面会し(1対1より集団面接が多い)免責不許可事由の有無を確認。該当することがった場合は、免責不許可となる。不許可になる主な理由はギャンブル、財産かくし、債務者に誠意のある態度が見られないなど。
3.官報に報告
4.破産の確定
5.免責の審尋(弁護士の代理可)
6.免責の決定
7.官報に報告
8.免責確定。債務ゼロの状態になる
自己破産にかかる費用
自己破産のメリット
- 支払いが全額免除される
- 給与の差し押さえなど、債務者による強制執行がなくなる
- 多少の財産は残る
自己破産のデメリット
- 信用情報に任意整理の記録が残るので、5~10年はあらたにクレジットカードが作れない、ローンが組めない。
- 住所氏名が官報に載る
- 免責が決定するまで就けない職業がある
債務整理すると永遠にローンが組めない?その真実とは
延滞や債務整理など、金融業者に不利益をあたえる『金融事故』を起すとブラックリストに載るといわれていますが、ブラックリストというものは現実には存在しません。ただ、信用情報には記録が残ります。
金融事故が記録にのこる期間は5~10年ほどといわれています。
信用情報から、これらの記録が消えると再びローンを借りたり、新たにキャッシュカードを作れる可能性が出てきます。
しかし、信用情報から記録が消えても債務整理をした業社には記録が残り続けます。
ここから借りるのは、不可能といわざるをえません。借りるなら、別の金融業者にするほうが懸命です。
逃げてはいけない!返済を放置すると恐しい結果を招くことに!
借りたお金は必ず返済しなければいけません。いつまでたっても返済してくれない人は、金融業者も一歩踏み込んだ督促をするようになります。とはいえ、強面のお兄さんが怒鳴りこんでくるようなコワいことはありませんが。
まずは、郵送で督促状が送られてきます。それを無視し続けると、今度は職場や自宅に電話がかかってくるようになります。とはいえ、脅すような口調は法律で禁止されていますから、あくまでソフトな口調です。
それすら無視していると、自宅に来ることもあります。
法で決められた時間内(午前9時~午後8時まで)であれば、なんの問題もないのです。
それでも返済しなければ、給料を強制的に差し押さえられることになります。
これも合法的であり、有無をいわさず強制執行となります。そうなると、借金延滞の事実を勤め先に知られることになり、職を追われることにもなりかねません。
よくwebに『借金は10年たてば時効』という記述が見られますが、これは正しくありません。金融業者側がなにも手続きをしなければ、理論上は5年で時効が成立します。しかし、業社は時効停止の手続きをとるはずです。
しかも、損害遅延金も発生しますから、債務はふくらみ続けます。
借金を放置していいことは何一つありません。返済できない、と思ったら、逃げずにまず専門家に相談することです。任意整理で元金のみ返済するか、自己破産にするか…。自分に最良の方法を考えましょう。