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いくら困っていても消費者金融で「名義貸し」をしては絶対イケナイ!

消費者金融・証券会社などで禁止されている「名義貸し」という行為について、消費者金融・クレジットカードなどの形態について説明をしていきます。そして、「名義貸し」行為は懲役6か月以下又は罰金100万円以下の犯罪なので、この犯罪に陥らないために必要な対策を紹介していきます。

消費者金融専業大手が「名義貸し」対策をしているのは当たり前のことで、消費者金融の「よくある質問」や「規約」の中にその内容を見ることができます。これは中小の消費者金融でも同様のことで、専業大手に匹敵するような「名義貸し」対策が取られていることを説明します。

「名義貸し」は消費者金融・証券会社などで禁止されている行為

他の人が何らかの取引をする際に、個人の名前や商号(営業上の自己を表示する名称)を貸して契約を成立させることを「名義貸し」といいます。また、国家資格・事業資格を必要とする業務(弁護士・税理士・タクシー事業者など)を行なう人が、その資格の無い人に名前を貸す行為も「名義貸し」となります。

消費者金融などの貸金業者での借金やクレジットカードの契約時の「名義貸し」行為や、証券会社が名前を出したくない顧客のために名義だけを貸すことも原則的には禁止されていて、ほとんどの「名義貸し」は違法とされているのです。

消費者金融やクレジットカード契約での「名義貸し」問題は多発し、詐欺などの犯罪被害にまで発展する場合もあります。平成24年には、クレジットカード会社と加盟店契約のできない性風俗店が、この契約が可能な飲食店から名義を借り、カード決済で2割増しの料金を取り1億円以上の不当利益を得たという事件もありました。

これは事業者同士が「名義貸し」を行なっているものですが、個人が直接「名義貸し」に関わる詐欺被害には、次のような形態もありますので充分な注意が必要なのです。その被害者の多くは、大金を稼ぐことのできない学生主婦となっているのです。

  • 消費者金融での借入代行
  • クレジットカードでのショッピング枠利用
  • 銀行での口座開設
  • 携帯電話の契約

消費者金融・クレジットカードなどの「名義貸し」のイロイロ

「消費者金融での借入代行」の詐欺というのは、「消費者金融でお金を借りてくれれば、謝礼金をあげる」と言ってキャッシングの代行(名義貸し)をさせ、最終的に借金が残ってしまうというものです。

謝礼金は30万円ほどの借り入れで数万円で、借りたお金を返済してくれると言って預かり、実際には返済をせずに姿をくらますという手口です。また、借入金は名義を貸した人から取り上げないものの、謝礼金は出さず、キャッシングの返済額が残されるという事例もあります。

「クレジットカードでのショッピング枠利用」の詐欺というのは、「自社商品をクレジットカード契約して購入してくれれば、請求はストップしたうえ謝礼金を支払う」と言ってショッピング枠いっぱいに商品購入させ、最終的にクレジット会社からの請求額が残ってしまうというものです。

謝礼金は10%ほどに設定され、30万円分購入すれば3万円も儲かってしまうと思わせる手口です。実際には、クレジット会社からの商品購入額の請求はストップされることはなく、その点を確認しようとしても相手とは連絡が取れなくなっているというものです。

「銀行での口座開設」の詐欺というのは、「キャッシュカード付きの銀行口座を開設してくれれば、謝礼金を支払う」と言って違法な口座売買を行わせるものです。他の金融機関に関わる詐欺とは違って直接的に金銭的被害は発生することはありませんが、売った口座は振り込め詐欺などの犯罪に使われてしまいます。

自分名義の銀行口座で犯罪が行われれば、「名義貸し」した人自身も犯罪幇助の罪を問われることとなり、警察の事情聴取を受けることを覚悟しなければなりません。犯罪の状況しだいでは、犯罪者の一人として逮捕されてしまうということもありうるのです。

「携帯電話の契約」の詐欺というのは、「自分名義で契約した携帯電話を渡してくれれば、すぐに解約をして謝礼金を支払う」と言って誘われ、違法な用途での転売をされてしまうものです。

形態電話を手に入れた業者は、1万円ほどの謝礼金で、3~4万円で転売できると言います。一旦携帯電話を渡してしまうと、当然のこと携帯電話は犯罪を意図する者に転売され、電話代の請求は「名義貸し」をした人(契約者)に送られてくるのです。

「名義貸し」は懲役6か月以下又は罰金100万円以下の犯罪です!

「名義貸し」という行為はいくら善意に基づいたものであっても、そのほとんどは違法とされています。医師・弁護士・建築士・不動産業者・証券関係者などの資格を持った人々の周囲では、実に多くの「名義貸し」トラブルが発生しているのです。

宅地建物取引業法には「無免許事業の禁止規定」というものがあって、名義を貸りて宅建取引の営業をした無資格者に対して、3年以下の懲役もしくは300百万円以下の罰金が科せられることになります。

ローンを組めなかったりクレジットカードを作れないで困っている人に、助けてやるつもりで「名義貸し」を行なった場合でもその行為はれっきとした犯罪となり、6ヶ月以下の懲役又は100万円以下の罰金を科せられることとなります。

「名義貸し」は詐欺によるケースばかりでなく、極近しい身内や知人から懇願されて行われる場合も多々あります。いくら人助けとは言っても、決して犯罪にあたる「名義貸し」を行なってはいけません。

結局は悪くて自身の逮捕・事情聴取に至ることもあり、消費者金融でのキャッシングがからむ場合には、最終的に自分に借金が残ってしまうということが予想されるからです。そうならないためにも、「名義貸し」以外の問題解決の方法を考える必要があります。

「名義貸し」という犯罪に陥らないための対策はコレだ!

「名義貸し」という犯罪に陥らないためには、詐欺については”うまい話にはのらない”ことで、身内・知人に対しても”きっぱりと断る”というのが最も良い対処の仕方ではないでしょうか。

それでも親しい人の願いは、どうしても断りづらいものです。そんな時には、次に示すような対応をしてやるのも「名義貸し」という犯罪に陥らないための対策となります。

  • 現金の貸与
  • 借金返済計画の検討
  • 債務整理の薦め

「現金の貸与」というのは、困っている身内・知人に自分の名義ではなく現金を貸してあげるものです。ただ、貸与する金額については万が一返済されなくても困らない程度のものとし、たとえ親しい間柄であっても借用書を作っておくことは必須となります。

「借金返済計画の検討」というのは、自分に貸してあげるお金の余裕が無いなどの状況下で、一緒に借金の返済方法や借金の原因を取り除いてあげることです。返済方法には「日頃の生活を見直す」ものと「弁護士・司法書士などに依頼する」ものがあり、借金の原因にはギャンブル依存症などがあります。

「債務整理の薦め」というのは、どうしても通常の手段では借金を返済しきれない状況にある場合の最終手段となります。専門的な知識が必要となりますので、必ず弁護士に相談をしながら進めなければなりません。

消費者金融専業大手が「名義貸し」の対策をしているのは当たり前

全国的に手広く事業展開をして、その安定感は揺るぎないと思われる消費者金融の専業大手とは言っても、「名義貸し」によって起こる貸倒れ被害に遭うことは大きな痛手です。

「名義貸し」被害に遭わないため、また遭っても極力被害を小さく押さえるために、消費者金融専業大手であってもその対策をいろいろと立てているのは、しごく当たり前のことなのです。

消費者金融専業大手における「名義貸し」対策は、申し込み時の本人確認から始まり、キャッシング利用中の対策、万が一被害に遭ってしまった時の対応まで、事細かく用意されています。その対策の内容は、大体以下のとおりとなっています。

目的 対策
発生防止 ・申し込み時の本人確認
・電話連絡による所在確認
・書類等郵送による住所確認
・反社会的勢力に関する取り決め
・信用情報期間への登録
利用中の不正防止 ・カード等の管理責任取り決め
・トラブル時の対応取り決め
・届出内容変更時の取り決め
被害発生時の対応 ・裁判所に関する取り決め
・法律に関する取り決め

消費者金融の「よくある質問」や「規約」の中に見る「名義貸し」対策

具体的に消費者金融専業大手「アコム」の「名義貸し」対策を確認してみると、そのサイトの「よくある質問」や「規約等一覧」の中にいろいろと見つけることができます。専業大手であるからこそなのでしょうか、その内容は実に細かく設定されているのです。

「アコム」での「名義貸し」対策と考えられるものは、次のようなものになります。

  • 申込時:反社会的勢力の排除
  • 申込時:信用情報機関への登録
  • 申込時:本人確認書類
  • 申込時:自宅・勤務先への電話
  • 審査結果:電話連絡の可能性
  • 郵送契約時:自宅への書類郵送
  • 利用時:カードに使用・保管の責任
  • 利用時:カードの譲渡・貸与の禁止
  • 利用時:カード暗証番号の管理責任
  • 利用時:カード紛失・盗難時の届出
  • 利用時:届出内容変更時の届出
  • 被害発生時:住民票等の取寄せ
  • 被害発生時:債権譲渡
  • 被害発生時:合意管轄裁判所
  • 被害発生時:各種法律

中小の消費者金融でも専業大手同様に「名義貸し」対策をしている!

資本金が600億円を越えるような会社がやっている消費者金融専業大手「アコム」の場合は、しっかりと「名義貸し」対策を取っているのは当たり前でした。それでは、会社規模がもっと小さい中小の消費者金融ではどうなっているのでしょうか。

例えば、資本金が1億円くらいとか、億単位にも達していないようなところではどうでしょう。なかなか小さすぎるところだとその実態をつかむ事はかなり難しいのですが、ホームページを持っているようなところになると、大分その情報を得ることができます。

ホームページを持っている中小の消費者金融の「名義貸し」対策を調べてみると、その内容はほとんど専業大手と同様であることがわかりました。

調べた消費者金融は2社で、資本金1億5千万円のライフティ株式会社がやっている「ライフティ」と、資本金3千万円弱のフクホー株式会社がやっている「フクホー」です。

ライフティ株式会社は、設立が1991年6月、東京都新宿区に本社を置き、貸金業登録を東京都知事に5回目、キャッシングとクレジットの2本立てでやっている老舗になりつつある会社です。

商品は、キャッシングの「カードローン」・「貸金業法に基づくおまとめローン」、クレジットの「WEぶんかつ」などで、キャッシング申込はネットで24時間365日受け付けていて、借入はパソコン・ケータイ・スマホでも可能、返済もネットバンキングを使えば24時間手続きできると言うのです。

フクホー株式会社は、設立が1970年2月、大阪府大阪市に本社を置き、貸金業登録を大阪府知事に4回目、消費者金融業一本でやっているそこそこ老舗になりつつある会社です。

商品は、証書貸付の「フリーキャッシング」と「貸金業法に基づく借換えローン」の2種類で、店舗は大阪市の「フクホー難波店」1点のみですが、日本全国どこからでもネット・電話での申し込みを24時間受け付けているのです。

中小の消費者金融の「名義貸し」対策は専業大手に同じ

「ライフティ」での「名義貸し」対策には、次のようなものがあります。

時期 内容
申し込み時 ・本人確認書類
・場合により自宅・勤務先に電話
・契約書類等の自宅への郵送
・審査結果の電話・メール連絡
・信用情報機関への登録・利用の取り決め
・個人情報使用目的の取り決め
・反社会的勢力の排除の取り決め
利用時 ・届出事項変更時の取り決め
・権利譲渡禁止の取り決め
・ID及びパスワード管理・使用の取り決め
トラブル発生時 ・損害賠償の取り決め
・指定紛争解決機関についての取り決め

「フクホー」での「名義貸し」対策には、次のようなものがあります。

時期 内容
申し込み時 ・他人名義での借入不可の明示
・指定信用情報機関への登録・利用
・反社会的勢力排除の取り決め
・本人確認書類
・契約時の本籍地記載住民票原本の請求
・審査結果では郵送契約も有り
・「名義貸し」アルバイト提供業者の注意喚起
利用時 ・届出事項変更時の取り決め
トラブル発生時 ・合意管轄裁判所の取り決め
・準拠法の取り決め

以上のように、中小の消費者金融「ライフティ」と「フクホー」においても、「名義貸し」対策はほとんど専業大手に見劣りしてはいませんでした。

身内や知人の為であっても絶対「名義貸し」をしてはイケナイ!

「名義貸し」という犯罪に至る経緯は、詐欺に関わるものと身内・知人などからの懇願によるものに大別されます。詐欺行為はもちろんのこと、人助けと思われる行為であっても、「名義貸し」はれっきとした犯罪になってしまいます。

お金を貸してくれる消費者金融にしても「名義貸し」による損害を避けるために、その会社規模の代償に関わらず様々な対策を取っているのは当たり前の状況なっているのです。

「名義貸し」という犯罪行為は、ほぼ確実に白日の下に晒され、当事者のアナタにはきっと相応の刑罰が下されることとなります。ちょっと小金を儲けてみようとか、不正な行為で近しい人を助けるいうことは考えず、常にまっとうな気持ちで過ごすことが、自然と周囲にも自分にも幸せはやってくることでしょう。

簡単にお金が儲かると言ったような甘い話に乗ったり、困っている身内や知人の為であっても、絶対に「名義貸し」をしてはいけないということを理解してください。

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