過払い請求は、消費者金融などの金融業社から払い過ぎた金利を取り戻すことができる制度です。2010年以前に借金をしていた人は余分に払っていた金利を計算しなおして、返済してもらえる可能性があります。
これだけ聞くと朗報ですが、金融業者にしてみれば大事な運転資金を大量に減らされてしまうため、非常にやっかいな制度です。簡単に応じてくれないこともあります。
また、過払い請求を請け負う弁護士や司法書士が多すぎて、選定に迷ってしまいます。選定に失敗するとお金が返ってくるどころか、ブラックリストにのってしまう可能性も!
ここでは過払い請求で思わぬトラブルに巻き込まれない過払い請求の秘策を伝授します!
貸金業社には必ず守らなければいけない法律がありますが、利息制限法と出資法はもっとも重要な法律です。どちらも金利の上限を定めたものですが、利息制限法は明治10年に制定されました。出資法は、昭和29年に制定となり、利息制限法よりかなり後になってできた法律です。
出資法はある大掛かりな詐欺事件がきっかけで制定されました。貸金業社の違法行為を戒めることと、借主を守る目的で作られた法律です。
厳密に言うと、貸し金業社が守るべき利息は利息制限法です。貸し付ける金額によって金利の上限が異なります。具体的な金額にすると、
となっています。後からできた出資法では上限が29.2%となっており、利息制限法の上限金利と開きがあります。利息制限法にはかなっていないけれど、出資法があるから違法というほどではない…。
この『グレーゾーン金利』は、貸金業法ができるまで、ほとんどの消費者金融や銀行で適用されていました。
消費者を守るために制定されたはずの法律が、皮肉にも消費者を苦しめることになったのです。そのご、いくつかの貸金業社の強引な貸付や取立てが社会問題化したこと、グレーゾーン金利が違法だと裁判ではっきり認められたことが後押しとなり、2010年に貸金業法が制定されました。上限が20%までに統一されたのはこの年からです。
金利の計算は素人には、なかなか骨の折れる作業です。
弁護士事務所や司法書士事務所のなかには無料で試算してくれるところも多いので、相談してみましょう。
また、最近は計算してくれるソフトが無料で公開されていますので、ある程度借入れの履歴がわかるなら、まずは大まかな金額を把握してみるのもいいでしょう。
2010年以前に長い期間返済していたら、払いすぎの可能性はかなり高いといえます。
貸金業社との取引履歴が必要になりますが、借入れしていた貸金業社に申し込めば入手できます。電話ひとつで郵送してくれる業社もありますが、指定する書類に記入しなければならないところもあり、確認が必要です。
借主がなくなった後、相続人が請求することも可能です。この場合は故人の除籍謄本と相続人の戸籍謄本など本人確認の書類が必要になります。業社によっては取引履歴の取り寄せに1ヶ月以上かかることもあるので、早めに請求することをおすすめします。
司法書士や弁護士事務所で取り寄せをお願いすることもできますが、信用情報に記録が残る可能性もあり、今後、何らかの影響が出るかもしれません。できれば自分で取り寄せましょう。
また、貸金業社によっては過払い請求を警戒して残債務の免除を申し込まれることがありますが、応じる必要はありません。その場で過払い金返還を申し出る業社もあるようですが、本来返還される金額より少なくなる可能性が高いので、これも応じないほうがよさそうです。
金融事故を起こすと信用情報に記録される、いわゆるブラックリストにのるという状態になるのはよく知られた話ですが、じつは過払い請求も以前は信用情報に載せられていました。新規の借入れが難しくなるということは確かにあったようです。
正当なお金を受け取っただけなのにブラック扱いとは、なんとも理不尽ですが…。しかし、2010年4月に廃止されていますので、現在では新たな借入れには影響しません。しかし例外もあります。
過払い請求した金融業者で借りることは、ほぼ不可能といわざるをえません。
クレジットカードも同じ会社では、たぶん断られるでしょう。
また、完済していない状態で過払い請求してみたものの、過払いではなかった場合は債務整理扱いとなり、最低5年は記録が残ります。
過払いが発生した場合でも、一時的に債務整理扱いとなり、記録が残ることがあります。過払いが決定すれば完済扱いになり、記録は抹消されます。現在返済中の借金の過払い請求をする際には、充分注意してください。
この期間の新たな借入れやクレジットカードの申し込みは避けたほうがいいでしょう。
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過払い請求を売りにしている弁護士、司法書士は全国にごまんといます。お客の奪い合いが非常に激しいようです。弁護士、司法書士のレベルもピンからキリまでです。予想額とはかけ離れた低い金額しか取り戻せなかったり、契約はしたものの、あまりにも仕事が遅いなど、能力を疑わざるをえない弁護士、司法書士もいます。選任は慎重にしましょう。相談に行って、真摯に対応してくれなければ、契約してはいけません。自分が信頼できる人を選んでください!
また、高い手数料を取って、依頼者にはほとんどお金が残らないというケースもあります。料金はしっかりと確認しましょう。人生を左右する大事な契約です。調子がいい宣伝文句や料金の安さにだまされないように!
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